犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

音を出すことの責任 恐ろしさ

いやー、ヘコんだ。今日は、13時からのビーハイブセッションはキャンセルして、16時からのToDoセッションだけに参加した。
2年前の4月、人生で初めて参加したジャムセッションが、ユキさん主催の、中津・ToDoセッションなのだが、改めて、このセッションだけは特別だ、と云う思いを、強くしている。

セットリストは、

Bag's Groove
Cantalope Island
Full House

Full House」は、ビーフラットやビーハイブと云った、店セッションでも何度か演奏したことのある曲で、6/14の、三木のギタースクールの生徒が出演する発表会でも、演奏する予定の曲なのだが、今回は完全に玉砕。自分の取り組み方そのものについて、考え直さねばならない、と思い知らされた。
イントロから入って、途中まで演奏したところで、イスラエルさんがストップをかけた。「この曲はジャズワルツだが、君は4つで弾いている」 え? オレ、ワルツで弾いているつもりだったのに、4つになってる? あとで、何人かに確認してみたら、「4つになってた」 うーん、自分のタイム感ばかりで走って、他の音を聴いていないと云うことだ。
で、仕切りなおして演奏する。「Full House」はA-A-B-Aの構成。Aが16小節でBは8小節と、すこしイレギュラーな曲だ。B、サビのコード進行は、Bbm7-Eb7-AbM7-Db7-GbM7-BM7-Gm7b5-C7b9となる。サビに入り、フレーズを弾いていると、ピアノとベースの出すコード感が、上記の進行に聴こえてこない。あれ? オレ、サイズ間違えてる? 途端に不安になる。自分の中にあるサイズ感で強引に戻り、2コーラス目。サビに入るが、やはりコード感が違う。もうパニック状態。サイズ感だけを頼りに、どうにかこうにかテーマに戻り、演奏を終えた。

打ち上げで、ユキさんが種明かしをしてくれた。「それは、おとさんがコード感を出すフレーズを弾かないから、バックがサビのコードに入らないんやで」 これは目から鱗だ。ギターとは云え、フロントとして入ったからには、全体を引っ張る意識が絶対に必要になる。「ここからサビだ。サビのコード進行に従って、こんなフレーズを出すから、バックはついて来い」 極端に云えば、こう云うことだ。

今まで、初心者系のセッションで演奏していた時には、演奏者はみんな、譜面に従って弾いていた。フロント、ギター、ピアノ、ベース、ドラムと云うクインテットがあったとして、みんなそれぞれ、青本なら青本を見て、そこに書かれているコード進行、サイズを着実に演奏している。フロントがどんな音を出そうとも、バッキングは譜面に書かれていることに従って演奏しているから、破綻することはほとんどない。それなりに成立するのである。

今日の「Full House」は違った。オレが出す音に、バックは反応して演奏する。オレの音が、進行を考えなければ、バックもそれに反応してしまう。
今まで、ピアノやベースが出すコード感に寄りかかってソロを演奏してきたが、それではいけない、と云うことを今日ほど痛感した日はない。音は闇雲に出していいものではない。ソロをやるなら、コード感を意識したソロをやらなければ、その演奏は破綻する。そう云うことを、今日の「Full House」では思い知った。

少年老ゐ易く、ジャズ成り難し。ヘコんでばかりもいられない。精進せねば。