煌きは ひとときなれば 面映し
今でこそ、ジャズギターをやっていることもあって、聴く音楽はジャズが中心だが、20年前、芝居をやっていたころは、日本のポップスばっかり聴いていた。芝居のBGMとして流すことを前提に、パンクロックからガールズポップまで、悪食であった。
当時、一番好きだったのは、FLYING KIDSとPSY・Sだった。他にも、FAIR CHILD、ZELDA、ジッタリンジン、レピッシュ、アンジー、金子美香と云ったアーティストを聴いていた。
JR天満駅の近くに今もある、ビデオプラザアルファと云うレンタルショップは当時の行きつけの店で、よく通った。CDなんかもジャケ買いならぬジャケ借りをしていた。そんな中で眼に留まったのが、東京少年だった。
永井真理子や渡瀬マキ(リンドバーグ)のような、ボーイッシュな女の子、と云うコンセプトだったのだろうか、ボーカル笹野みちるの、真っ直ぐな視線が胸を撃つジャケットが気になり、早速借りて聴いてみた。
「ハイスクールデイズ」や「レンガの学校」と云った曲の切なさは、今でも心に残っている。自分に無いものを持った友人に対する憧憬、羨望、愛憎、悔恨が真っ直ぐに綴られた歌詞と、決してメロディアスではないが力強い旋律、キーの低い笹野のボーカルが、青春のある一瞬であるからこそ、眩いばかりに煌く、そんな楽曲だった。
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今は無き、堂山のバナナホールにライブも聴きに行ったなぁ。
笹野は今、地元京都で地に足の着いた音楽活動を続けている。これまで全く観に行く機会はなかったのだが、YOU TUBEで懐かしい音源を見つけて、ちょっと聴きに行こうかな、と思い出している。
20年も前、こッ恥ずかしいが、青春の想い出を重ねるアーティスト、である。