犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

末端は 自前も 辛いところなり

仕事の電話も携帯からが過半数〜アイシェア調査
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=536003&media_id=33

2002年から2004年頃まで、某大手携帯電話会社の料金システム開発運用を担当していた。開発のメインの部隊は東京に居たので、日曜の夜、関空発羽田行きの最終便に乗って東京に向かい、ウィークデーは品川の駅に直結したビルのオフィスで仕事をし、金曜の夜に新幹線に乗って帰阪、土日を地元で過ごすと云う生活を、約1年半続けた。
きつかったが、仕事自体は楽しかった。何と云っても某大手携帯電話会社である。数ヵ月後にスタートする新サービスのテストをしている最中、テレビではその新サービスがいついつスタートしますよ、とCMが流れているのである。うわーこれまだかなりバグってるのに間に合うんだろーか、等と他人事のようにメンバーと噂しあっていたものだ。

開発チームの課長に気に入られ、末端のソフトハウスから来ているBP(ビジネスパートナー)参画者であるにもかかわらず、総合試験のサブリーダを担当させてもらっていた。正に、本番稼動へ向けての最後の試験を行うチームの管理者である。当然、他の管理者との連絡、調整等も重要な仕事となる。

担当していたケータイの料金システムは、大きく3つのサブシステムが連携して稼動していた。先ずは端末契約。街のショップに行くと、おねいちゃんがカウンター越しに色々客とやりとりし、端末に向かってなにがしか入力を行い、無事、ケータイ端末は客の手に渡る。この入力する端末のエントリシステムが、先ずは入り口になる。仮にこのシステムを「A」と呼ぶことにする。

「A」にて入力された情報は、XMLの形式で、我々が開発した「O」と云うシステムが稼動するサーバに送信される。契約者の個人情報や、契約内容、オプション等々である。システム「O」の処理サーバは、これらの情報を受信してデータベースに登録し、その内容を料金管理システム「M」に送信する。「M」では契約者の利用状況などを元に、請求額等を計算し、請求書を発行したり、未払い状況を「O」に送信して、利用停止状態にしたり、といった処理を行う。
「A」「O」「M」それぞれに、開発チーム、運用チーム、試験チームがあり、「O」の試験チームのサブリーダだったオレは、「A」や「M」の試験チームの管理者と、綿密に連絡を取り合っていたのであった。

会議室から会議室、フロアからフロアと、時間刻みのスケジュールで移動する間、ケータイはひっきりなしに鳴り続ける。当時の着信音は「ラプソディ・イン・ブルー」だったな、そう云えば。着信だけでなく、こちらからも頻繁に発信していたから、デスクに居る時は常に充電。

しかも、一番仕事の密度が濃かった2003年と云えば、星野監督の下、タイガースがぶっちぎりの強さで18年振りのセリーグ優勝を果たした年だ。仕事を終え、ホテルへ戻る途中、ケータイから速報サイトへ頻繁に繋ぐこともしていたので、通話料金とパケット代込みで、1ヶ月4万円と云う請求が来たことがあった。明細見た時は卒倒するかと思った。その月だけでなく、次の月も2万を越える請求があり、慌てて、デスクに居る時は固定電話からかけるようにせざるを得なかった。

月末は自社に戻ってミーティングがあったりするのだが、当時属していた末端のソフトハウスでは、出張経費の前借をするだけでも後ろめたかったのに、ケータイ代まで出してくれとは云えなかったし、会社でケータイを準備してくれ、とも云えなかった。
一緒に仕事をしていた大手システム開発会社Nのプロパーは、一年目の社員にまで、仕事用ケータイが支給されていたっけ。羨ましかったなぁ。