犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

積読も コツコツコツと 崩さねば

筒井康隆「虚航船団」読了。

オレは、この人の小説は殆ど読んでいなくて、「時をかける少女」(一昨年、オリジナル劇場アニメになりましたからね。「ハチワンダイバー」でメイド姿の巨乳真剣師を演じる仲里依紗の、声優初挑戦とは思えぬ快演は特筆ものです)、「パプリカ」(これも一昨年、「パーフェクトブルー」「東京ゴッドファーザーズ」の今敏監督で劇場アニメ化されました)、「敵」、「バブリング創世記」くらいだろうか。新潮文庫に大方の作品は入っているが、多すぎてなかなか食指が伸びなかった。

心斎橋のブックオフでたまたま見つけ買ったのだが、いやしんどいしんどい。面白いのだがしんどい。第一章「文房具」は黒い笑いに満ちたグロテスクなオーヴァーチュア。間違いなく面白いが、余りのグロテスク振りに心身ともに疲れた。第二章「鼬族十種」は人を食ったクロニクル。人を食うどころか、登場するイタチ達は、ホントにお互いを食ったりしてるからね。中世から近代、現代へと続く年代記をイタチで語ってしまう力技には圧倒される。筒井先生、執筆時は50歳。気力体力共に、充実していたのではないだろうか。第三章「神話」では第一章と第二章の登場人物が出会い、物語は混沌へと堕ちていく。段落を変えず延々続く筒井節の炸裂に、読み進む手は止まらない。とにかく面白かった。もう一度最初から、今度は舐めるように丁寧に読んでみよう。

と云いながら、積読状態の本は自宅に山積みである。一番読んでいる小林信彦も、「ドリームハウス」や「イーストサイドワルツ」「夢の砦」が残っている。自宅で風呂に入りながら読む場合には、どうしても一度読んでいる「名人 志ん生そして志ん朝」「小説世界のロビンソン」辺りを手にしてしまう。

親父の遺品を整理する内に出てきた三島由紀夫「春の海」山崎豊子白い巨塔塩野七生ローマ人の物語」全15作なんかも読まなきゃなんないし、Amazonで随分前に購入したピンチョン「競売ナンバー49の叫び」ヘラー「キャッチ22」も読まずに置いてあるし、去年の末に買ったブローティガンアメリカの鱒釣り」スターン「トリストラム・シャンディ」も残っている。

まだ買っていない本にも興味はあって、高橋源一郎「ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ」も買っておきたいし、東野圭吾容疑者Xの献身」も劇場版「ガリレオ」が公開される前に読もうかなぁと思っているし、「鹿男あをによし」の切なさ爽やかさがすっかり気に入ってしまった万城目学のデビュー作「鴨川ホルモー」も映画化が決まったと云うことで読みたいし、うーん、時間が足りん、週末毎にセッションに行ってる場合ぢゃないぞ