犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

夕方の 携帯入電 怖ろしき

色々、修羅場もくぐって来て、大抵のことには驚かない。
見た目も見た目なので、図太くてエラソウだと思われることが多いが、概ねその通りだ。

しかし、今、一番怖いことがある。お袋である。
12月に親父が死んで、お袋と二人になった。オレは嫁もいないし子供もいない。妹はいるが既に嫁いでいる。もう、この世界にあって繋がりを強く感じられるのはお袋だけなのである。

肉親の死に向き合ったことで、オレは、いつお袋が死んでもおかしくない、と思うようになっている。当たり前の話だが、そういうことは間違いなく起こる。ある日突然やってくるかもしれないのだ。

仕事から帰って来て、お袋は無事でいるだろうか。
朝、オレが起きたら、お袋は眠ったままではないだろうか。

そういう埒もないことが頭を掠める。

今日、仕事中に携帯に着信があった。お袋の携帯からだった。夕方の4時。こんな時間にかけてくると云うのはなんだ。一挙に不安が広がる。
折り返し電話をかけると、お袋が出た。「何かあったンか?」「ゴメンゴメン。今夜、お友達とお食事に行くちう話はしたあるやろ? お弁当買うてあるから、外で食べとおいでなや云うとこ思て」「・・・」

そんなことくらいで電話してくるなよ。仕事中の電話だから、何かあったかと思うじゃないか。
ふう。でもとりあえず、心配事ではなかったのでひと安心。

考えてみれば、お互いに依存しあってる、と云うことなんだろうなぁ。やれやれ。