犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

この世は生きているものの為にある

恙無く、通夜の読経を終えた。
これから、明日の葬儀まで、お灯明と線香を絶やさぬように、起きていることになる。
妹と義母が、泊まりに来てくれているが、まあ、オレが起きていよう。
明け方に2時間ほど眠れば大丈夫だし。

夕方、ひととおりの準備を終えて、お袋と二人で話をしていた。
色々と用を足している間、お袋は気を張っていたが、落ち着いた途端に、ふうと溜息をついて、目を伏せた。
44年間連れ添った人が逝ったのだから無理はない。

オレは、お袋にこう云った。

「お袋。親父が死んで、寂しい気持ちは勿論あるけど、この世は、生きてる人のためにあるんやと、オレは思うで。仏様をないがしろにするとか、そういうこととは勿論違うけど、生きてるもんが、生きてる限りは、心から楽しまなあかんで。亡くなった人の思いを抱えたまま、ふさぎ込んでるってのは、つまらんで。

オレは、死んだ親父を思う気持ちは無くさんけど、これからは、生きてるお袋を第一に思っていくから、元気出し」

お袋は、少し目をしばたたかせ、鼻声になったが、オレの気持ちを分かってくれた。そう思う。

四十九日が明けたら、お袋をまた、ビーフラットに連れて行こう。

それから、来週末の三連休。予定していたセッションに、オレは出掛けることにした。
こうやって書いた日記を読んで、多くのマイミクさんがコメントを下さった。
その方達に、元気な姿を見せることにした。

この世は、生きているものの為にある。オレはそう思う。
オレが、元気に、変わらぬ日常を過ごすことを、親父は許してくれると思う。
お袋が、元気に、笑顔で暮らしていくことを、親父は望んでいると思う。

だから、オレにとって、とても大事なものになった音楽に、正直な気持ちでいることにした。
セッションに行って、気の置けない仲間と一緒に演奏をする。
それがオレの本当だ、と思う。

来週末、セッションでお逢いする皆さん。
そんな訳ですので、のこのこ伺います。
宜しくお願いします。