犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

There Will Never Be Another You

いつものように、7時前には起きた。

お袋は、親父の傍で寝ていたが、やはり疲れていたのだろう、線香の火が消えていた。
お灯明の火で線香を灯し、身支度を始める。

8時過ぎに、花屋がやって来た。祭壇の相談をして、一旦戻っていった。

9時前に市役所に電話。市営葬儀の担当者は、9時半ごろには来てくれるとのこと。
銀行に行き、今朝入金された親父の年金を、あらかた下ろす。

市営葬儀の担当者がやってきたので、祭壇の準備を始める。
親父に紋付を着せ、棺桶に納める。
白布を取った親父の顔は、やはり眠っているようだ。

担当者はてきぱきと準備をしてくれる。
やがて、花屋も戻ってきて、祭壇の飾り付けが始まる。準備は任せて、関係各位に電話。
葬儀は、家族だけで行う旨を伝え、ご足労はご遠慮頂くようお願いしていく。

千里に住んでいる義母が電話をくれた。偶々、義弟の家に手伝いに来ていた(義弟は印刷屋を営んでいる)ので、出来ることは何でもするから、と云ってくれる。
とりあえず、葬儀の準備は、市の担当者がてきぱきと進めてくれていることを伝え、今夜の通夜のお願いだけしておく。

タイスケは、入れ替わり立ち代り、人が出入りするのを見て、何かしら感じているのだろう、ワンワンと吠え、クーンと鼻をならす。
祭壇に遺影が飾られたら、前まで連れてってやろう。

12時前には、ひと通りの準備が終わった。花屋は引き上げ、市の担当者は、祭壇に飾る遺影の準備に行った。

とりあえず、通夜が始まる、夜7時までは、特にしなければならないことはない。

ギターを持ち出し、祭壇の前で、「アナザーユー」を弾いた。

There Will Never Be Another You
あなたなしでは

もう、あなたなしでは、なんて云ってられないんだよなぁ。
あと6時間で通夜だ。