犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

直筆で 読むは明治の 青春か

漱石直筆「坊っちゃん」新書版で復刻、17日に店頭へ(読売新聞 - 10月15日 20:13)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=316896&media_id=20

漱石は、大好きな作家だ。
と云いながら、「吾輩は猫である」「坊っちゃん」「こころ」くらいしか、ちゃんと読んでいない、と云うのは情けない。

小林信彦氏は、「吾輩は猫である」のファンで、「小説世界のロビンソン」という小説論で、数章に亘って、「猫」について書いている。
お薦めの本だが、新潮文庫版は既に絶版で、ブックオフ等で探すしかない。
「猫」について書かれた数章は、文春文庫から出ている「名人 志ん生、そして志ん朝」に抄録されている。この本は、まだ手に入りやすいはずだ。興味ある方は、そちらで読んでみて下さい。

小林氏は、「坊っちゃん」の事件とその後を、登場人物の一人、<うらなり>の視点で描いた、「うらなり」という小説を、昨年出されている。
元気で、ユーモアに富んだ作品、という印象の「坊っちゃん」の世界が、全く違って見える面白さ。苦く静かな、しかしじんわりと沁みこんでくる小説である。

記事で触れられている新書は、1200円と、値段も手頃だ。週末、ジュンク堂にでも行って求めてみるかな。