犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

30年を隔てて

犬神家の一族」を観てきた。
市川崑監督の前作は、1976年、丁度30年前に公開されたことになる。
テレビ放映やビデオで、前作を随分愉しんだファンなのである。

で、今作。
なんだこりゃ。
脚本、カット割り、演出。何から何まで、旧作のまんま。
冒頭から、石坂浩二深田恭子のやりとりが、30年前の、石坂と坂口良子のやりとりそのまんまだったので、唖然としてしまった。
猿蔵が、珠世を助けるために、湖に跳び込んだとき、腹打ちするところまで同じ(苦笑)。
役者も、
高峰三枝子富司純子
島田陽子松嶋菜々子
小沢栄太郎中村敦夫
三木のり平林家木久蔵
等々。
総じて、グレードダウンしている。
前作から30年。21世紀の今、まんまのリメイク、はっきり云ってセルフコピーを作ってしまう意味はあったのか。
90歳を超えて、市川カントク、ボケちゃってンじゃないだろうか。
色々心配してしまう。

あまりにあまりなので、休日出勤した帰り、ヨドバシカメラに寄って、旧作のDVDを買い、観直してみた。
いやー、面白いわ。全く同じ脚本で、同じ監督が演出して、この違いはどうだ。
30年の年月は、残酷なものだ、と感涙に咽んでしまった(嘘)。

今年観た邦画の内、ダントツの最下位でした。参りました。
今年の締めがこれでは寂しすぎる。
来週公開の「鉄コン筋クリート」に期待しよう。