犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

今年の映画、今年のうちに!

少し早いが、今年観た、ロードショウ作品について、10点満点で採点してみる。

THE 有頂天ホテル
 三谷幸喜の監督3作目。DVDも購入。可も無く不可も無く。三谷氏は、1作目「ラヂオの時間」から、どんどんポテンシャルが下がっていく。5点。

シムソンズ
 実在のカーリングチームをモデルにした青春映画。DVDも購入。加藤ローサ快演。大泉洋の素晴らしさは特筆もの。8点。

プロデューサーズ
 メル・ブルックスの監督デビュー作を、自身の手でブロードウェイミュージカルに移植。それをまた、ミュージカル映画として再移植。なんともヤヤコシイ。30年前のオリジナルより、ゴージャスにはなったが、取得はそれだけ。5点。

ダ・ヴィンチ・コード
 世界的ベストセラー小説の映画化。小説は、実にワクワクさせたが、映画は凡作。2点。

嫌われ松子の一生
 「下妻物語」の中島哲也監督の新作。中谷美紀怪演。瑛太好演。テレビ版はちらりと観て、内山理名はカワイイが、ポテンシャルの低さが論外。映画のポテンシャルが高すぎ、とも云えるのだが。8点。

花よりもなほ
 岡田准一クンの、微笑ましき時代劇。宮沢りえの佇まい、香川照之古田新太の巧さを堪能。7点。

TRICK 劇場版2」
 ドラマファンのための映画。オレはファンだったのでフツーに楽しんだ。ただ、テレビ版ファーストシーズンの雰囲気が、今は昔のものになってしまった。「トリック」って、こんなんじゃなかったンだがなぁ。6点。

インサイドマン」
 スパイク・リーが描く犯罪ドラマ。アイデア抜群。展開も面白い。クライブ・オーウェンもカッコいい。でもラストシーンが謎。7点。

「ホワイトプラネット」
 「皇帝ペンギン」に続く、フランスのアニマルドキュメンタリー。地味。氷河の崩落シーンのみ、グッと来た。5点。

「カーズ」
 ピクサー作品。テンポ、キャラ立ち、伏線等々、さすがにツボを押さえた作りで、歴代作品のうち、ベストワン。8点。

時をかける少女
 筒井康隆原作の名作ジュブナイルを元に、オリジナルの設定で描かれた快作。ヒロインのポジティブさ、青春のバカさ、切なさが胸に沁みる。今年のベストワン。9点。

UDON
 本広組のイベントムービー。うどんブームの盛衰と、父のうどんの味を継ごうとするドラマを、前半後半でむりやりつなげた感じのバランスの悪さが、この映画の致命的な点。うどんをテーマに映画をつくる、という目的だけで完結しちゃっている。これじゃあダメだ。4点。

夜のピクニック
 恩田陸の同名小説を、映画鑑賞後に読んでみた。いい作品だった。お奨め。未読の人は是非とも。映画は・・・。小説の取得だった静かさ、フツーさが感動に繋がらないのは、演出、演技が、堅実すぎるせいだろうか。いい映画ではあるんだけどなぁ。7点。

カポーティ
 アカデミー主演賞を得た、フィリップ・シーモア・ホフマンの、カポーティっ振りがみごと。ペリー・スミス役のクリフトン・コリンズJrが実に素晴らしかった。8点。

「スネークフライト」
 太平洋横断中の飛行機内に、毒蛇数百匹が放たれた! チープなアクションだが、チープさをちゃんと心得て、真面目に作ってる姿勢はエラい。6点。

「ブラックダリア」
 デ・パルマの新作。「ファントム・オフ・パラダイス」のビル・フィンレイが一瞬登場。嬉しかった。しかし映画は全然ダメ。ジョシュ・ハートネットは、ホントにダメな役者だ。3点。

トンマッコルへようこそ
 昨年の韓国の大ヒット映画。「オールド・ボーイ」のカン・ヘジョン快演。ただ、恰好の題材と、ジブリアニメでおなじみの久石譲の音楽を得ても、ファンタジィにならない不思議。トンマッコルを桃源郷として描けなかったのは、南北対立が、現在進行中の出来事だからなのかもしれない。6点。

父親たちの星条旗
 イーストウッドが描く、硫黄島二部作の一本目。ヒーローのいない(あるいはヒーローの虚像を描く)、静かで悲痛な映画。
これ一本だけでも極上の出来なのに、日本側の「硫黄島からの手紙」がじき公開という贅沢が待っている。8点。

DEATH NOTE
 第2作公開前日のテレビ放映で第1作をチェック。一応、今年の新作ということで。原作未読。巧く組み立てられた脚本だと思う。でもなぁ、一番良かったのが、CGのリュークじゃなぁ。原作、マンガ喫茶で読むかな。6点。

木更津キャッツアイ ワールドシリーズ
 クドカン脚本のカルトドラマの完結編。前作「日本シリーズ」よりまっとうな作り。バンビの「野球やろう」はいい台詞だ。でも、ドラマは薄い。ファンは満足出来ても、この程度じゃ、大向こうは納得しないよ。6点。

ここまで、20本の新作を、今年は観ることが出来た。これに加えて、「不連続殺人事件」「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」の旧作2本を、劇場で観ている。
前者は内田裕也と夏純子が素晴らしかった。後者は知る人ぞ知るカルト作品。土方巽小池朝雄の怪演と、驚愕のラストシーンを観られたのが最高の収穫だった。

あと1ヵ月半。もう数本は観るつもり。「硫黄島からの手紙」「武士の一分」「鉄コン筋クリート」辺りが楽しみだ。

来年は、1週1本、年間50本が目標! 暇と金があるかな?