犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

帰宅途中の電車の中で

対面に立った男が、いきなり携帯で喋りだした。
どうやら、同僚か部下がミスを繰り返しているらしく、説教をたれている。
最後通告みたいな感じなのだが、言い方が実に嫌味ったらしい。
「お前、こんなこと繰り返して、今後俺と仕事出来るのか? 出来ないだろ?」
とにかく、車内で延々、電話をかけているってだけで、ムカムカきてるのに、一向に悪びれる風でもない。ネチネチと嫌味をたれ続ける。
ようやく会話を終え、電話を切ったと思ったら、もう一台、別の携帯を取り出して、また喋りだした。
これもネチネチした説教。こいつの神経はどうなっているんだ。
かかってきたのならまだしも、自分からかけているのだ、走っている電車の中で!
また、輪をかけて腹が立つのが、そいつの見た目なのである。見た目で判断するのはフェアではないとは思うが、もう、腹が立つのを通り越して、可笑しくなってしまった。
顔が、野村克也の息子、カツノリにそっくりなのだ。
しもぶくれで鼻の下が長い。くちびるも厚め。人を油断させる顔だ。
しかも髪型がふざけている。襟足が長めでウェーブがかかっている。染めてはいないが、そう、キムタクのような髪型なのだ。
想像してみてください。キムタクの髪型に、ほっぺたつるつるのカツノリの顔をくっつけた男。
これぁ、笑わせるための顔じゃないか。そのつるつるほっぺに、ぐるぐるでも描いてやろうか。
そういう男が、電車の中で携帯をかけ、同僚か部下に嫌味ったらしく説教をたれている。
血の気の多かった若い頃なら、「車内で携帯かけるな」くらいのことは言って、喧嘩も辞さないものだったのだが、最近は、大人の分別が出来た。
怒鳴ってもいいが、周りに迷惑もかかる。煮えくり返るくらいむかむかしているのだが、ぐっと抑えた。
そんな顔だから、一生懸命頑張って、コンプレックス跳ね返して、みたところまだ若いようだけど、仕事で責任与えられて、部下も使えるようになったんだね、よかったねボク。
目的駅に到着したので、ひとつ深呼吸して、電車を降り、家路についたのでした。

みなさん、走行中の電車内での携帯通話は、周りの方の迷惑になりますのでやめましょう。

それからもうひとつ。顔に似合わない髪型をするのは、もっと周りの方の迷惑になりますのでやめましょう。