犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

「Shall we Dance?」と「Shall we ダンス?」

リチャード・ギア主演、ハリウッド版の「Shall we Dance?」だが、4/29に観た。オリジナル版との観比べをするつもりだったので、レンタル屋を何軒か回ったが、どこも貸し出し中。ここ十数年、トンと映画を観なくなっていたお袋さえ、ロードショウ時に観ているオリジナルを、オレは観逃していて、まず周防作品を観てから、と思っていたのだが、5/6の金曜ロードショウで放映されることを知り、スケジュールの関係もあり、ハリウッド版を先に観ることになった。
正直な感想を云うと、可もなく不可もなく、といった感じ。リチャード・ギアの前作「シカゴ」は、もう面白くて面白くて、劇場だけで3回観たし、DVDも買ったし、というような入れ込み様だったが、今作にはそれほど熱くなれなかった。とてもいい作品ではあるのだし、ラストも気持ちいいのだけれど、それだけで終わってしまう。これはどういうことなんだろう。こんな気持ちでオリジナル版を観たら、意味がなんとなく見えてきた。ストーリーの外にはみ出している遊びの部分に、琴線が反応するのだ。
役所広司と共にグループレッスンを受ける生徒が、徳井優田口浩正。これだけで、日本の観客はニヤリとしてしまう。引越しのサカイのヘンなおっちゃんと、最近の邦画には欠かせないデブキャラ役者。この2人と役所広司の組み合わせが、日本の観客には、すでにサービスになっている。もっと分かりやすい例は、渡辺えり子と、あの! 竹中直人だ。竹中直人がヘンなカツラかぶって踊ってるってだけで生み出されるインパクト。これは、ハリウッド版のスタンリー・トゥッチが、同じように演じても、決して生まれない。ここに、周防監督の狙いがはっきり出ていると思う。かつての、古き良きハリウッドのハートウォーミングな映画を支えていた、綺羅星のごときスター達。ケイリー・グラントヘンリー・フォンダゲイリー・クーパーキャサリン・ヘプバーンエリザベス・テイラー・・・。彼らが銀幕に姿を現しただけで、うっとり出来る心温まる映画。スターがスターであった時代のよさを、周防監督は日本で生み出そうとしている。「Shall we ダンス?」は、そういう映画だ。もちろん、ストーリーも、気持ちよくなれる上質のものだが、おなじみのスターが観られる、という楽しみも盛り込んでいる。そんな作品が、自分のふるさとともいうべきハリウッドに渡り、「おなじみのスター」という要素が薄められてリメイクされれば、可もなく不可もなく、となるのは仕方ないことかもしれない。現在のハリウッド映画の弱点が、図らずも浮き上がった形になったと思う。


6連休が終わった。
例年になく、しっかり休んだゴールデンウィークだった。
映画は2本観たし(「Shall we Dance?」「交渉人 真下正義」)、タイスケ連れて遠出もしたし、プロ野球交流戦も楽しんだし。
さあて、明日からまた仕事が始まる。こんなに休んだGWもシサシブリなので、勘が戻るかな。とりあえず、夜更かし体調になってるので、それを戻すのが大変だなぁ。
映画の感想は、はてなのブログ「犬と暮らす人(http://d.hatena.ne.jp/pearlrice/)」で。近くUPします。