犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

直筆に 見ゑるは ナマの漱石か

集英社新書「直筆で読む『坊っちやん』」と云う本を、改めて読んでいる。
漱石の、空前のポピュラリティを誇る小説「坊っちやん」の、明治39年に書かれた直筆原稿の写真版を、岩波書店の編集者である秋山豊氏と、“漱石の孫”、マンガコラムニストの夏目房之介氏のコラムで挟んだ本で、2007年に発売された時期に購入し、途中まで読んでいたのだが、直筆原稿の文字を判読することに集中し過ぎて、小説自体を読んでいる感覚になれず、疲れてしまい、途中で放り出していたのであった。
改めて読むと、やっぱり、文字を追うことに神経を使いすぎて、疲れる。物語を追うと云うより、じっくり時間をかけて、言葉遣いや語彙の範囲を追い、漱石と云う作家のメンタルを楽しむものかもしれない。

しかし、買うだけ買って、積ん読状態の小説も、まだまだ随分残っている。読まなきゃいけないものは多い。
主なものだけでも、

小林信彦「ドリーム・ハウス」
高橋源一郎「いつかソウル・トレインに乗る日まで」
トマス・ピンチョン「ヴァインランド」
村上春樹1Q84
万城目学プリンセス・トヨトミ

等々。「プリンセス・トヨトミ」なんて、来夏には映画化されるそうで、少なくともそれまでには読んでしまわないと。
通勤時間が長いから、行き帰りでじっくり読みたくも、仮眠の時間も欲しかったりして、困ったものであります。