犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

家元や 毒以て毒を 制せよと

立川談志、体調不良のため年内の活動を休止
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=941382&media_id=54

ううむ。芸事好きとして、しかも談志好きのオレとしては、残念なニウスだ。

昔々。と云っても14〜5年位前だったか。よみうりテレビ深夜帯に、「EXテレビ」と云う番組があり、上岡龍太郎氏がMCを務める木曜、談志師匠の落語を何度か放映した。上岡氏が、番組の冒頭から、少し喋ってCM、少し喋ってCMと云う構成で、1時間番組で流すべきCMを、前半の10分位に集中させ、落語は残りの数十分、ノーカットでたっぷり放送してくれた。
黄金餅」「鉄拐」「権兵衛狸」と云った古典落語をみっちり聴くことが出来て、毒舌タレントとしてではなく、噺家立川談志の魅力を余すところなく楽しめたプログラムだった。

立川談志は、実に魅力的な噺家であることは間違いない。マクラは現代時評、危険な警句に満ちており、実は談志が誤解されるのも、このマクラの身も蓋もなさだったりする。
DVD「ひとり会」に収録されている「黄金餅」に、こんなマクラがある。

「ササハラとあたしの意見がたったひとつだけ合ってたン。それァ、人間が多すぎるから殺そうと云う、この一点だけ合ってたンですよ。」

この「ササハラ」と云うのは、云うまでもなく、麻原彰晃こと松本智津夫のことだが、この部分、観客ははっきり云って引いている。云いたいことは分からないでもないが、さすがに無邪気には笑えない。

しかし、ひとたび噺に入ると、快調なテンポ、奇抜なギャグ、深みある人物描写で観客を魅了する。歌舞伎の演目にもなっている、元は講談の人情話「小猿七之助」など、うっとりさせられる。

毀誉褒貶半ばする人ではあるが、その芸は一流。それだけに、長期休養が、引退なんてことに繋がらないか、ちょっと心配。
談志師匠、どうか元気になって下さい。

※10年ほど前、フジテレビ「落語のピン」で放映された「野ざらし」が、YouTubeにUPされているので、貼っときます。著作権、問題ないかなぁ。

youtube_write('');

youtube_write('');

youtube_write('');