犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

現実も 仮想も そこに人が居る

先週の土曜、観るつもりで出掛けたのに観られなかった、アニメ「サマーウォーズ」を観てきた。

2006年夏、単館ロードショウにも関わらず、口コミで観客動員を伸ばし、10ヶ月ものロングラン上映を果たし、国内外の賞を受賞した快作「時をかける少女」 オレも大好きで、梅田ロフト地下のテアトル梅田で立ち見でつかまえ、京都・九条のみなみ会館での凱旋上映にもかけつけ、DVDもamazonで予約購入し、観る度に泣く。

「未来で待ってる」
「うん、すぐ行く。走っていく」

ラストの別れのシーンの、なんと切なく、なんと爽やかなことか。

この「時をかける少女」の、細田守監督の最新作、しかも、脚本に奥寺佐渡子、キャラクターデザインに貞本義行、アニメーション制作がマッドハウスと、「時かけ」のスタッフが再結集となれば、これはもう、観に行かないわけにはいかないではないか。

オープニング、<セカンドライフ>を思わせるバーチャルワールド<OZ>の簡潔なイントロダクションの、ポップ感、スピード感を巧みに見せてから、場面を現実の世界にシフト。おもむろに、しかし軽快に物語をスタートさせる。
この巧みな導入部は、Yahooで動画配信されているようなので、興味ある方は是非。

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id333497/

時をかける少女」は、ひと夏の青春の、バカさと愛おしさと切なさと爽やかさを見事に描いて見せた。
そしてこの「サマーウォーズ」は、リアルもバーチャルも越えた、信念の強さと、繋がり、温もりといったものを楽天的に謳い上げる。
細田監督は、アナログな大家族も、ヴァーチャルなネット社会も、共に否定しない。それらを裏付ける、人と云う存在を強烈に信じている。その強さは実に清清しい。

単館公開だった「時かけ」と違い、日本テレビとワーナーが資本に入って、シネコンで上映されている「サマーウォーズ」は、多くの人が観易い状況で公開されているのだから、多くの人に観て貰いたい。カタルシス、あります。スカッとする佳作ですよ。