犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

大阪を 持つとしたらば どうなるか

帰宅途中、梅田に着いたところで19時になったので、予約録画をしているとは云うものの、やはりリアルで観ておきたいと、ワンセグで「R-1ぐらんぷり」決勝を観た。

日曜に放送された敗者復活戦は、予約録画しておいて帰宅してから観たが、いやー、天津木村の迷走振りが切なかったなぁ。
と云うわけで、ここを勝ち上がった岸学夙川アトムを加えた10名による決勝。長くはなるが、一人々々感想を書いていこう。

1.夙川アトム
ギョーカイ言葉を散りばめた、童話の紙芝居ネタ。日曜の敗者復活では「シマウラのローター」、今日のネタは「ズキアカのチャンネー」。芯になるはずの紙芝居の部分が、「グーリュー城でワンクールツークール」とか、紙芝居の中にキモになるギャグが入っている浦島太郎ネタの方が面白かったのが残念。「ザカマツ牛のブシャブシャ」とか「ベナちゃんこ」とか、言葉の崩し方は実に鋭いのだが。

2.岸学
様々なネタ番組ですっかり定番になった、<24>ジャック・バウワーネタ。このキャラクターを手に入れたのは本当に大きい。様々なシチュエーションにジャック・バウワーを登場させれば、そのままネタになってしまう。会場も一気に暖めて、この後の流れの伏線は出来上がった。

3.バカリズム
トツギーノ」とか「贈るほどでもない言葉」とか「イニシャル日本史」とか、オレは彼のネタが大好きなのだが、今夜の「地理の授業」は白眉だ。非の打ちどころがない。「都道府県を持つとしたら」と云う妄想が、栃木県で暴走し始め、高知県で爆発する。審査員清水ミチコが、100点満点の100点を付けたりして、会場も異常に盛り上がり、もう優勝はほぼ決まりだと、誰もが思った。ところが。

4.エハラマサヒロ
ウザいミュージシャンのライブ。「チューリップ」や「雪やこんこん」をGReeeeN風に唄うと云うネタ。私見では、面白いがバカリズム程ではないと思っていた。ところが、会場の空気が審査のインフレを引き起こす。バカリズムの672点に対し675点と、3点上回って暫定トップに。この為に、この後の審査にビミョーに重い空気が漂い始める。

5.サイクロンZ
ダンスのあて振りネタ。よくまとまってはいたが、展開がありがちで、去年の芋洗坂係長のようなプラスアルファがなかった。

6.鳥居みゆき
稀代の怪芸人が、どちらかと云うと理に落ちたフツーのネタをやった、と云う印象。所どころ、いつもながらの暴走を見せるも、観客放ったらかしのような乱暴さはなく、それが鳥居みゆきらしさを殺していたと思う。

7.鬼頭真也
テンポと発想はいい。「メガネ」で押す展開も面白い。でもひとつひとつのパンチが弱いかなぁ。「ドカベン」のオチも、いまひとつコクがなかった。

ここまで、誰もエハラマサヒロを抜けない。会場のノリに押し切られるようにしてエハラを暫定トップにしてしまってから、いまいち突き抜けないネタが続き、空気も微妙に重くなる。
そして、ここから後の3人が、その空気を切り裂くネタを見せるのである。

8.COWCOW山田與志
巧い。ゆっくり動き始め、ジワジワとスピードを上げていき、「ゴルゴ」と云うキーワードで笑いを重層的に拡げる技は素晴らしい。オーラスのカーテンコールも画竜点睛。ただ、「0-30(ラブ・サーティ)」から「ゴルゴサーティ」に繋げるのはどうよ。「ゴルゴサーティーン」なんだけどね、ホントは。

9.あべこうじ
後半の、ずぶぬれの犬で押す展開は見事。小道具も何も使わない、鋭利な発想とスピードと絶妙のリズムを持った喋りが心地いい。キャラクターはウザいけど。
正統派漫談の底力を見せるも、残念ながらエハラは抜けない。最後の一人が中山功太じゃ、このままエハラの逃げ切りかなぁ、と思っていたら。

10.中山功太
正直、このネタは感心しなかった。感覚は鋭く、ひとつひとつのオチは見事なのだが、単体のギャグを羅列しているだけで、脈絡がない。構成と呼ぶべきものが殆どないのだ。笑いの波も、広がるかと思えばビミョーなものに収まったり、山田與志のように重層的になっていかない。
ところが結果は、エハラを8点も上回った685点。ネタの出来として考えても、納得しかねる結果だ。

私見では、1位バカリズム、2位COWCOW山田與志、3位あべこうじ、4位エハラマサヒロ、5位岸学、6位中山功太、7位夙川アトム、8位鳥居みゆき、9位鬼頭真也、10位サイクロンZ、と云ったところだと思う。
予約録画もしているし、HDDにダビングして、またゆっくり再見してみるか。

バカリズム氏、残念でした。中山功太氏、おめでとうございます。

“ひとり話芸”日本一決定! 『R-1ぐらんぷり2009』優勝は中山功太
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