犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

甥は泊まり 伯父は詩を読む 中秋なり

連休二日目は、ホントに何もしない一日。

午前中は庭木を切り、少しギターを練習して、軽く買い物。夕方に、妹夫婦が那由他を連れてやって来る。今晩は、那由他はお泊り。おとまるお泊り。何云ってんだ。
朝までぐずらず居てくれよ。

シサシブリに山之口貘の詩文集を読んでいる。講談社文芸文庫に入ってる奴だが、どう云う訳か、沖縄で買ったんだよなぁ。
貘さんは、高田渡さんの歌で知った。「結婚」「鮪に鰯」「生活の柄」等々。

「生きる先々」と云う詩が好きだ。

僕には是非とも詩が要るのだ
かなしくなっても詩が要るし
さびしいときなど詩がないと
よけいにさびしくなるばかりだ
僕はいつでも詩が要るのだ
ひもじいときにも詩を書いたし
結婚したかったあのときにも
結婚したいという詩があった
結婚してからもいくつかの結婚に関する詩が出来た
おもえばこれも詩人の生活だ
ぼくの生きる先々には
詩の要るようなことばっかりで
女房までがそこにいて
すっかり詩の味おぼえたのか
このごろは酸っぱいものなどをこのんでたべたりして
僕にひとつの詩をねだるのだ
子供が出来たらまたひとつ
子供の出来た詩をひとつ

手を伸ばせば届く生活を、手を伸ばせば届く言葉で語る貘さんの詩が好きなのだった。