犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

エブリンの 訃報にふれて 思ふこと

2006年の夏。7月5日。
その頃担当していたシステム開発は、6月1日に本番を向かえ、忙しさのピークは越えていた。
丁度そんな時、mixiをチェックしていて、こんなイベント告知を見つけた。

「ジャズの巨匠Art Blakey(アート・ブレイキー) の大ファンのマスターが経営するジャズクラブ「A.Blakey」にアート・ブレイキーの長女でジャズ・ボーカリストのEvelyn BLakeyさんが来ます。」

5月6月の異常な忙しさを乗り越えて、息抜きをしたいと思っていたオレは、地元も地元、芥川商店街に、ジャズクラブがあることすら知らなかった。
本当に軽い気持ちで、仕事の帰りに出掛けてみた。そのライブで、オレは、エブリン・ブレイキーと、行本清喜という人と出会うのである。

ジャズの生演奏を聴くのは初めてだった。小柄なエブリンのボーカルは、しかし驚くほどパワフルで、オレは、ただ浸っていた。
演奏が終わり、握手を求めた。CDを買い、サインを貰った。Tシャツも売っている、というので、Lサイズを買おうとすると、「もうひとサイズ大きいのがある。外の車にあるから、取ってくるから待っといて」と言って、店を飛び出し、Tシャツを持ってきてくれたのが、この日、トランペットを吹いていた、行本清喜さん、ユキさんだった。

以後、オレは、ユキさんのライブに顔を出すようになり、マイミクに加えて頂き、ユキさん主催のセッションにも行くようになった。

すべては去年の夏、エブリンのライブを観たことが始まりだったのだ。

今、オレが何年か振りにギターを手にし、ジャズセッションに通い、同好のお仲間と楽しい時間を過ごせるのは、ユキさんとお知り合いになれたことがきっかけだった。
そして、ユキさんとの出会いを演出してくれたのは、「ビッグ・ママ」エブリン・ブレイキーその人だったのである。

ユキさんのmixi日記で、エブリンの訃報が伝えられていた。
ショックだった。
今年の年末、来日する予定もあったはずだった。
うまく時間をやりくりして、あのTシャツを着て、聴きにいこうと思っていたのに。

今夜は、エブリンの歌を聴いていよう。

エブリン・ブレイキーさんの、ご冥福を、心よりお祈りいたします。