犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

今年の映画、今年のうちに! 2006年度最終版 ベストテン付

今年観た、ロードショウ作品のひとこと批評の最終版である。11/11の日記で、20作品について書いたが、あれ以降、7本の作品を観ているので、その評価を追加しておく。

先ずは前回、11/11時点での点数の再掲。観た順である。

THE 有頂天ホテル」           5点
シムソンズ」              8点
プロデューサーズ」           5点
ダ・ヴィンチ・コード」         2点
嫌われ松子の一生」           8点
花よりもなほ」             7点
TRICK 劇場版2」            6点
インサイドマン」            7点
「ホワイトプラネット」          5点
「カーズ」                8点
時をかける少女」            9点
UDON」                 4点
夜のピクニック」            7点
カポーティ」              8点
「スネークフライト」           6点
「ブラックダリア」            3点
トンマッコルへようこそ」        6点
父親たちの星条旗」           8点
DEATH NOTE」              6点
木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」 6点

続いて、11/11以降に観た、7作品の評価と点数を以下に。

「武士の一分」
 大監督、山田洋次の、本格派の凄みを思い知った一本 。下級武士を、汚らしく演じたキムタクより、映画初出演の壇れいが、この映画を後世に残る位置まで引き上げた。9点。

「暗いところで待ち合わせ」
 田中麗奈チェン・ボーリンの、奇妙な心の交流を描く秀作、と評価しようと思っていたら、後半で突如ミステリーになってしまって唖然。あそこまではっきり、真犯人判明の展開を描く必要が、本当にあったのか? 食卓に、はす向かいに座ってシチューを食べる場面の長回しは、心震える屈指の名シーンなのに。もったいない。7点。

DEATH NOTE The Last Name」
 自室でくつろぐ片瀬那奈の、まあエロいこと。鹿賀丈史はミスキャスト。苦悩する父親に、全然見えない。芝居、間違ってます。脚本の構成は巧い。7巻までの展開に、12巻の結末をくっつけたあのラストは、納得できる。よくぞまとめた。でもまあ、凡作だな。5点。

「パプリカ」
 ワクワクさせるタイトルバック。噴出するイメージの奔流。原作のキャラクター、設定、展開を巧く換骨堕胎、再構成して、見事なエンタテインメントに仕上がった。それと、林原めぐみ古谷徹山寺宏一といった、専門声優の凄さを再認識。宮崎カントクぅ、やっぱり声優を使うべきですよ。意固地に嫌ってないでさァ。8点。

硫黄島からの手紙
 愛国婦人会のシーン。憲兵のシーン。擂鉢山での自決のシーン。これらのシーンを、イーストウッドが撮った、ということが、なによりもこの映画の価値だ。「星条旗」と同じく、ヒロイックな描写を全く無しにして描かれた戦争の重みに圧倒される。これを撮ったのは、日本人ではなく、イーストウッドなのだ、ということを、しつこく云っておく。9点。

犬神家の一族
 前作の大ファンなので、このリメイクのニウスを聞いて、狂喜した。と同時に、不安も感じた。で、蓋を開けてみたら、不安的中。何から何まで、前作を超えられない粗悪コピーに終始している。プロデューサーが「前作の脚本そのままで」と云った意図は全く不明。悲しき失敗作。2点。

鉄コン筋クリート
 宝町の造型の素晴らしさは特筆もの。クロとシロに、二宮和也蒼井優を起用したのも大正解。専門声優だと、演技にメリハリが利きすぎた、と思う。とにかく、蒼井優のシロは絶品。舞踏家、田中泯の名演に心が震え、本木雅弘の怪演が心地いい。日本ってのは、こういう作品が、週刊漫画雑誌に連載されて、クオリティの高いアニメになってしまうんだもん。正に、世界をリードするサブカル王国だ。いい意味でも悪い意味でも。この作品は傑作ですよ、念のため。8点。

と云うことで、今年は邦洋併せて、27本のロードショウ作品を観た。

こうして並べてみると、「海猿」「ナルニア国物語」「ミュンヘン」「県庁の星」「日本沈没」「ゲド戦記」「ラフ」「涙そうそう」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「M:i:III」「ワールド・トレード・センター」「手紙」「NANA2」といった大作、話題作を無視しているのが、なんともオレらしい。

博士の愛した数式」「寝ずの番」「ゆれる」「ラブ☆コン」「フラガール」「7月24日通りのクリスマス」「プラダを着た悪魔」あたりを観逃しているのが心残りかな。

以下に、ベストテンを挙げておく。同点の作品の順位は、恣意的なもの、早い話が好みだ。
そもそも、点数自体が、恣意的なんですがね。

1位 「時をかける少女」  9点
2位 「硫黄島からの手紙」 9点
3位 「武士の一分」    9点
4位 「シムソンズ」    8点
5位 「鉄コン筋クリート」 8点
6位 「パプリカ」     8点
7位 「父親たちの星条旗」 8点
8位 「嫌われ松子の一生」 8点
9位 「カポーティ」    8点
10位 「カーズ」      8点