犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

「硫黄島からの手紙」

硫黄島からの手紙」を観てきた。

公開日の3回目上映、ということで、地元のシネコンも混んでいた。
客層も様々。オレの右隣は、年配のご婦人が一人。左隣は、高校生?中学生?の女の子3人連れ。
劇場の入りは、7割程度。梅田や難波の劇場なら、立ち見だろう。地元にロードショウ系のシネコンがあるのが、本当にありがたい。

ネタバレ御免で、色々書きます。

開巻、2005年、現在の硫黄島が映し出される。戦没者慰霊碑。地下壕。調査団が発掘をしている。ここらが、ドキュメンタリー風に描かれ、いきなり引き込まれる。巧い導入部だ。

イーストウッドの視点は、「星条旗」でもそうだったように、ヒロイックなものへの賞賛にはない。
普通の人間が、否応なく巻き込まれていく、戦争という身も蓋もない現実を、静かに、衒うことなく描いていく。

過酷な戦場のシーンが続き、しかも、そこに置かれているのが、日本人でもあるからだろう、「星条旗」よりも、より悲痛な思いに、胸を焼かれた。

渡辺謙はさすがの名演。アカデミー主演男優のノミネートは、ほぼ間違いないと思う。
二宮和也の体当たりの熱演も評価したい。

日本人が登場し、日本語で会話を交わす映画を、イーストウッドが撮ったことに、驚くとともに、心から感謝したい。この映画は、イーストウッドでなければ撮れなかった。イーストウッドが撮ることに意味があった、と思う。

重厚だが、是非とも多くの人に見てもらいたい作品だった。

http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=128817&media_id=8

来週は、「犬神家の一族」 さて、30年ぶりのリメイク。市川監督の映像美が堪能できることを、楽しみにしよう。