犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

「電車男」

少し、感想が遅れましたが、書き上げたのでアップしておきましょう。
6/4の土曜日。東宝シネマズ高槻に、夜9時半からの回を観に行った。意外に混んでいたのでびっくり。土曜の夜だもんね。映画観に行くのも不思議じゃないか。
オレが学生の頃は、梅田か河原町に行くしかなかったんだがね。シネコン増えたし、映画を観る環境は、年々よくなっている。ハードが充実してきたら、次はソフトだ。CGバリバリの、ハリウッド大作や、なんかワケワカンナイけど、やたら元気な韓流シネマに負けない、面白い邦画が増えることに、今後も期待。
さて、2ちゃんねるから生まれた、奇跡の純愛物語、との触れ込みの今作なのだが、オレは、さすがに出版された本は買わなかった。まとめサイトに一通り目を通しただけ。だから、発端と、エルメスのペアカップが送られてきたところくらいまでしか、フォローしていなかった。そんな状態で、映画に触れたわけなのだが、ウン、普通に楽しめました。電車男こと山田孝之クンは、オタクルックもそれなりにはまっていたが、やっぱ、髪切って服装も小ぎれいにすると、雰囲気出るね。いい役者さんだと思う。エルメスこと中谷美紀だが、実際のエルメスは、20代半ばらしい。中谷美紀は29歳。浮世離れしたお嬢様を、ふんわり演じて好感触なんだけど、笑顔に、30前の女の味が、どうしても出てしまいますね。山田クンが爽やかなだけに、そこの溝(とまで言うのは酷か?)は如何ともしがたい。原作に、「ハイチオールCのCMに出てる女の人に似てる」という描写が出てくるから、中谷美紀を使うのは、企画としては当然なんだろうが、♪シミ、飲んで治そう♪ ってとこですか。イヤ、実際に、彼女にシミがあるとかどうとかってことじゃないですよ。ネタですから、ネタ。
観ていて驚いたのは、電車クンを支えるネット仲間が、豪華にキャスティングされていたことだ。ネットカフェの3人組、三宅弘城岡田義徳坂本真はともかく、国仲涼子!? 佐々木蔵之介!? 人妻木村多江!? 引きこもりの瑛太クンはよく知らないが、ゼータクじゃねえか。何だってこんな、と思っていたら、ちゃんと理由がありました。それぞれのキャラクターに、サイドストーリーを持たせていたのだ。それはいいとして、佐々木蔵之介木村多江が実は・・・、ってのは、やりすぎだろう。ちょっと萎えましたな。
奇跡の純愛物語は、秋葉原の裏通りでクライマックスを迎える。お互いを想い、アキバで再会した二人は、「好きって言ったらもっと好きになっちゃいました」の名台詞で、初めて結ばれる。裏通りでぎこちなく抱き合う二人を、カメラは引きで捉え、とってもいいシーンだ。ところが、カットが変わって、電気店のネオンに、2ch独特の「キタ━━━(゜∀゜)━━━!!」ログが乱れ飛ぶシーンが入るのだが、これはやりすぎだよ。せっかくの切ない、いいシーンだったのに。王道には王道の描きかたってものがある。2chから生まれた物語ってことに、とらえられすぎているんじゃないだろうか。せっかくの名シーンになるところを、残念なことでした。
こんな風に、細部に愛すべきところがあって、細部にやりすぎなところもあって、全体のバランスは、よいとはいえない。よいとはいえないけれど、佳作として評価しておきたい。こういう可愛い物語を、真剣に作ろうという意思は感じられるから。スタッフも、キャストも、誰一人、いい加減なことはしていない。安易なヒット企画への便乗映画にはなっていない。そう思える作品になっていると思う。
ラストのおまけは、なかなか楽しいですよ。あの二人の物語も、ぜひとも観てみたい。そんな作品でした。


「きたちょうせんせん」って平仮名で書くと、何のことかわからなくなるね。
サッカーワールドカップアジア最終予選北朝鮮戦であります。
いよいよだー。
早く帰ってテレビ観よ。
無観客試合って、どんな感じだろうね。ワクワク。