犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

両親は 爺婆に オレは 伯父になる

帰宅途中、梅田で途中下車し、ヨドバシカメラでヘッドフォンを見ていると、携帯が鳴った。
見ると、お袋の携帯から。なんだろうと思い、出てみると、「まだ仕事中か?」とお袋の声。

「イヤ、もう帰りの途中」
「あのね、早よ帰っておいで。今夜は宴会やから。祝い事やから」

少し考えて、ピンときた。そーか、そー云うことか。

家に着くと、案の定、義弟の車が来ていた。食卓に入ると、親父にお袋、義弟に妹が寿司桶を前にしている。

オレは、もう察していたので、妹に、「子供、出来たんやろ? おめでとう」と云った。妹はすこし照れたように頷き、お袋はニコニコしながら「祝い事て云うただけで、分った?」と聞く。
当たり前だよ。お袋は単純だもの。嬉しそうな声聞けば察しはつく。

妊娠3ヶ月。来年の初夏には生まれるはずだ。
ここのところ、気力が萎えていた親父が、少し元気を取り戻した。
「親父、100歳まで頑張ったら、孫の成人式見れるで」というと、「そら無理や」と云いながら、嬉しそうに微笑んだ。

オレは親不孝な息子で、親父には何もしてやれていない。不惑を越え、後厄もあけようかというこの歳になって、孫はおろか、嫁ももらっていない。
妹、ありがとう。おかげで親父の気持ちに、張りが戻った。体に気をつけて、元気な赤ん坊を産んでくれ。
本当にありがとう。

オレもとうとう、伯父さんかぁ。