犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

「ハリーとトント」

「ハリーとトント」1974年
監督:ポール・マザースキー
出演:アート・カーニー エレン・バースティン

シサシブリに、良い天気の休日なので、タイスケを連れて散歩に出掛ける。
その時に、家のすぐはす向かいにある児童公園の、散り始めの桜をのんびり見ようと思い立ち、親父に声をかけた。
すっかり老け込んだ親父は、どうするかな、と思ったら、意外に素直に「行く」と云い、準備を始めた。

普通に歩けば、5分もかからない距離で、散歩が嬉しいタイスケは、必死になって先に行こうとするが、親父の足元が相当危ない。脳梗塞以来、出歩くことが極端に減り、若干の肺気腫もやっている親父は、荒い息遣いで、ゆっくりゆっくり歩く。オレは、はやるタイスケをリードで引っ張って、親父のペースに合わせて歩く。

ようやく公園の構内に入り、ベンチに座る。ぽかぽかとした陽気。若干強めの風が、桜を散らせ、花吹雪が舞う。親父はゆっくり座ったまま。タイスケは散歩が嬉しいから、そこらをうろうろ嗅ぎまわり、親父の足に身体を擦り付ける。のんびりとした、春の休日。

15分ほどそこにいて、親父が「帰る」と云ったので、帰ることにした。また、親父のペースに合わせて、ゆっくりゆっくり歩く。

タイスケも、親父が甘やかさずに、ちゃんと躾けておけば、自分でリードを持って、散歩に連れて行くことも出来たのだが。
「ハリーとトント」のように、猫とかを飼っていたなら、もう少し密接に世話が出来たのかなぁ。

少しづつでも、親父を連れ出すようにして、元気を出してもらわなければ。