犬と暮らす人

2011年1月まで、ラブラドール・レトリーバー「タイスケ」と暮らしていた、表はフリーのシステムエンジニア、裏はなんちゃってジャズギター弾きの日常。

小雪がなぜダメなのか

モデル出身の女優、小雪が、以前は結構好きだった。君塚良一脚本、唐沢寿明主演の怪ドラマ「ラブ・コンプレックス」の、秘書のうちの一人を演じていたが、なかなか雰囲気のある女優さんだなぁ、と思っていた。
とにかく、小雪はエロい。いきなりこういうことを書くと、何考えているのだ、と思われそうだが、何度でも書く。小雪はエロい。背が高く、手足が長い、典型的なモデル体型は、どちらかと言えば、ロボットのような、無機的な身体に思えるのだが、どういうわけかエロい。プラズマテレビのCMで、背中を大きく露出させている小雪は、さほどでもないが、サントリーのカクテルのCMで、二の腕を出した衣装で、ヨーガみたいなストレッチをやっている小雪は、どうしようもなくエロい。ドラマ「エンジン」の最終回で、通路にへたり込んで、キムタクと抱き合っていた小雪も、異様にエロかった。物憂げに佇んで、鼻に掛かったような声で台詞を口にするだけで、ただ事ではなくエロい。小雪は、この、持って生まれた天性のエロさを最大の武器にしていけば、女優としてとてつもない存在になるような気がする。
しかし、ご本人の処し方をみていると、知的で凛とした存在でいたいと思っておられるようだ。女優という仕事に不可欠な、生臭い人間力には興味がおありではないらしい。はっきり書こう。値打ちこいてンじゃねーぞコラ。佇むだけでにじみ出る持って生まれたエロさを武器に出来ないようじゃ、いつまでたってもお人形さんでしかいられなくなるぞ。お人形さんでいたいのなら、モデルの砦に閉じこもっていればいい。綺麗なお洋服を着せてもらって、綺麗にメイクアップしてもらって、綺麗な姿をお写真に撮ってもらって、綺麗だ綺麗だと言われていればいい。女優というものはそんなもんじゃない。観ている客の心を揺り動かすのなら、己が心の震えすらさらけ出さなくてはならない。目をむき、泣きはらし、鼻水をたらし、それでも「綺麗だ」と思わせる、それが女優の底力、人間力だ。その覚悟も無く、「アタクシ、女優でございますのよオホホホホ」なんざチャンチャラおかしい。「エンジン」で共演した上野樹里を見るがいい。はみがきのCMで爽やかな笑顔を見せ、「スウィング・ガールズ」では全編走りまくって矢口カントクをして天才と云わしめ、「エンジン」では養護施設に暮らす思春期の少女という役を自然体で演じきり、その宣伝で出演した「笑っていいとも! 春の祭典」ではドラえもんの物まねを思い切って披露し、「亀は意外と速く泳ぐ」ではスパイになる主婦、などというワケワカラン役をのほほんとこなし、はるかに歳若なのに大活躍ではないか。たまたまハリウッド映画に出演できたからってだけで、ツンとすますお人形さんとは雲泥の差だ。
ここ数年で、ここまで分かりやすいおのぼりさんも珍しいので、チャカしてみた。でも、ほんとにこのままじゃ、小雪って、ダメな女優まっしぐらだと思うよ、ウン。